Society 5.0 を実現する駆動⼒を持つ博⼠人材を育成するために、実践に強い社会人博⼠の育成に注⼒している諸大学を有機的に連携させる「大学院リーグ」のプロトタイプを提案し、新しい博⼠人材育成システムのモデルの明確化に取り組む。
提案するシステム:大学院リーグ
©2024 Y. Nagai
Fig. 1. 大学院リーグが目指す理想
提案する大学院リーグとは、独自の手法で社会人博士の育成に注力する大学が有機的に連携し、地域社会や国際社会の課題に対し博士課程で得たスキルやノウハウを活用して、イノベーティブに解決する能力を備えた新たな博士人材の育成の場のことをいう。
大学院リーグにおける博士の将来像
現行の大学院:産業界の中で活躍する博士人材の輩出
大学院リーグ:産業界・学術界のポテンシャルを活用しながら社会で活躍する博士人材の輩出
©2024 Y. Nagai
Fig. 2. 大学院リーグの試みとその将来像
©2024 Y. Nagai
Fig.3. Science and Technology for Societyへ
各大学の取り組みと育成される能力
各大学で行われている博士人材育成プログラムの受講生を対象に、独自に開発したトランスファラブルスキル評価を行い、プログラムによる能力の変化について測定する。また、プログラムごとの測定結果を開示し、受講生が身につけたい能力を育成できる科目を履修できるようリーグをデザインする。
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Fig. 4. 各大学の取り組み
サブ課題と研究開発テーマ
SIP第3期研究課題「ポストコロナ時代の学び方・働き方を実現するプラットフォームの構築」の全体構成は、以下に示すように、A〜Eのサブ課題に分けられている。サブ課題A〜Cは有機的に連携しながら進行し、それらの成果はサブ課題Dで北海道に構築する実証フィールドに集中的に適用される。ここでフィードバックと実証を繰り返し、PDCAサイクルを通じて機動的かつ総合的に研究テーマの設定・見直しを行う。このアジャイルな開発モデルにより、社会全体の変革を目指す。
さらに、サブ課題Eでは、A〜Dの研究開発や実証を通じて明らかになった制度的、経済的、心理的な課題を把握し、その解決策を各サブ課題にフィードバックする。これにより、新しい「学び」や「働き方」を支える社会基盤の構築を目指す。
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Fig. 5. サブ課題と研究開発テーマ
開発メンバー
サブ課題B b-2 ①総合知で社会を変える博士人材育成プログラムの実証
研究開発テーマ:共創的実践で社会を変革する博士人材育成プログラム ー大学院リーグのプロトタイプと実装―
1.研究開発メンバー(2024年10月1日現在)
北陸先端科学技術大学院大学(JAIST) | 宇都宮大学 | 高知大学 |
《研究開発責任者》永井由香里 | 〈共同研究者〉吉澤史昭 | 〈共同研究者〉菅沼成文 |
小泉 周 クレメント浩代 白肌 邦生 由井薗隆也 元山 琴菜 島田 淳一 東方沙由理 植村まゆみ | 土屋 翔 杉田 直樹 森田佐知子 阪田 和哉 松田 勝 西山 未真 渡部久美子 | 降幡 睦夫 関 安孝 渡邉 聡 渡邉 茂 矢野 宏光 宮田 剛 伊東 賢二 安光ラヴェル香保子 |
2.新規参入メンバー(2024年10月1日現在)
香川大学 | 三重大学 |
末永 慶寛 髙橋 悟 | 八神 寿徳 出宮有佳子 |
研究開発のロードマップ
・各年度2校ずつ新規参加校・機関を増やしていく
・新規参入校・機関は大学院リーグ開発科目受講可能
※単位認定制度の整備が必要
・新規参入校・機関で実施している科目・プログラムを大学院リーグに提供
※リーグによる質保証と単位認定を行う予定
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Fig. 6. 研究開発のロードマップ